Je t'aime?
それから数分後。
ちょうどいい具合に、祐太が見たいと言っていた映画が始まった。
同じハリウッドものでも、さっきの恋愛ものとは打って変わって、今度はアクション大作。
なんやかんやで地球が破滅の危機に面して、なんやかんやで主人公がそれを救う、という、スケールの大きいストーリーだった。
後半は、愛する人に最後の別れをしたり(結局ラストで再会したけど)、危機を救うためにドカーンとかズドーンとかやっていて、
「なんか、こういうの何度か見たことあるなぁ」
と思った。
だけど祐太は大満足だった様子で、私が感想を述べると、
「それは、俺がさっきの映画で思ったことと同じだ」
と一蹴された。
「それにしたって、地球の危機をたったひとりの人間に託していいわけ?」
「それは、突然ゴッドハンドが登場するのと同じだ」
「…なるほど」
納得。