Je t'aime?
「ところで、もうこんな時間だけど、晩飯どうする?」
映画館から出て、エスカレーターに乗ったときに祐太が言った。
「今、何時?」
「6時」
でも私は、映画を見ながらポップコーンを食べていたので、空腹を感じなかった。
「お腹すいてないけど、ノド渇いちゃった」
「じゃあ、とりあえずどっか入ろうか」
私たちは、映画館と同じ建物の一階にあるレストラン街で、紅茶が評判の店に入ることにした。
夕食どきなのでほかのレストランは行列ができていたけど、ここは軽食程度しかないので、すぐに席に案内された。
「ランチといい、今日は並ばずに済んで、運がいいな」
並ぶのが好きじゃない祐太もご機嫌だ。
「お決まりのころにお伺いします」
と、かわいい制服の店員さんが去っていくと、私はさっそくメニューを開いた。