Je t'aime?
そんな私を見て、祐太が呆れた口調で、
「早くしてー」
と急かす。
「…もうちょっと…」
私は、メニューを見たまま答えた。
祐太はジーンズのポケットからケータイを取り出して、カコカコし始めた。
「…女の子ってさぁ、長いよね、こういうとき」
と、ポツリと言う。
それを聞いて、私はやっと顔を上げた。
「よく女の子とこういう店に来るってこと?」
「一般論。いいから、早く決めろ」
…一般論…。
ほれほれ、とメニューを私のほうへ押しやって、祐太はまたケータイをいじり出した。