Je t'aime?
一般的な女子同様、あれからさらに時間をかけて私が選んだ紅茶は…。
「お待たせしました。ダージリンと、ピーチジュレのアイスティーです」
運ばれてきたアイスティーを見て、祐太が、
「なんじゃこりゃ」
と笑った。
縦長のグラスの底には、たっぷりのピーチジュレ。
その上から注がれた桃の香りの紅茶が、ジュレと混ざり合って美しいグラデーションを作っていた。
それから、小さくカットされた桃とミントの葉が、氷と一緒に浮いている。
つまり、どこをとっても桃。
見た目も涼しげだし、夏らしくて爽やかで、気分がわくわくした。
祐太がポットサービスのダージリンをカップに注ぐのを待たずに、私はストローに口をつけた。
「おいし~い」
紅茶の香りと桃の香りは絶妙なバランスで、渇いたノドを冷たく甘く潤す。
自然に顔がほころんだ。
こんなにおいしいもの、一気に飲んでしまってはもったいない気がするけど…。
でも、甘い誘惑には勝てない!
私は長いスプーンで底のジュレをたっぷりすくった。