Je t'aime?



一般的な女子同様、あれからさらに時間をかけて私が選んだ紅茶は…。



「お待たせしました。ダージリンと、ピーチジュレのアイスティーです」



運ばれてきたアイスティーを見て、祐太が、



「なんじゃこりゃ」



と笑った。



縦長のグラスの底には、たっぷりのピーチジュレ。



その上から注がれた桃の香りの紅茶が、ジュレと混ざり合って美しいグラデーションを作っていた。



それから、小さくカットされた桃とミントの葉が、氷と一緒に浮いている。



つまり、どこをとっても桃。



見た目も涼しげだし、夏らしくて爽やかで、気分がわくわくした。



祐太がポットサービスのダージリンをカップに注ぐのを待たずに、私はストローに口をつけた。



「おいし~い」



紅茶の香りと桃の香りは絶妙なバランスで、渇いたノドを冷たく甘く潤す。



自然に顔がほころんだ。



こんなにおいしいもの、一気に飲んでしまってはもったいない気がするけど…。



でも、甘い誘惑には勝てない!



私は長いスプーンで底のジュレをたっぷりすくった。




< 150 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop