Je t'aime?
ウジェーヌは今頃、カラオケを楽しんでいるだろうか。
それとも、もうお別れ会は終わって、ガミくんと一緒に家でくつろいでいるだろうか。
私は、祐太がなにか言ってくれるまで、下を向いたまま、そんなことを考えていた。
そんなことを考えてる場合じゃないのに、まるで現実逃避をするかのように、そんなことを考えていた。
また自分のことが情けなくなって、新しい涙がこぼれてくる。
…隣のテーブルの人、いづらいだろうなぁ…。
場所、移動したほうがいいのかな…。
そう思い始めたとき、祐太がやっと話し始めた。
「…わかった」
静かな落ち着いた声に、私はそっと顔を上げた。
そして、別れよう、と言われるのを覚悟した。
だけど祐太は、なぜかちょっと微笑んでいる。
「いいよ、ウジェーヌのこと、好きでも」
「…え…?」
…好きでもいい、って?