Je t'aime?
祐太の口から発せられた、意味不明な言葉。
「好きでもいいって、なに?」
私は、鼻声で聞いた。
「うっすらそんな気はしてたんだけど、今の怜奈を見てて、確信した」
祐太は、さっきまでとは別人のように、さっぱりと言った。
「俺さ、怜奈のウジェーヌに対する感情って、憧れなんだと思うんだ」
「憧れ?」
「初めての外国人の友達に、恋愛感情を抱いてしまうってのは、そういうことじゃないかな」
それから祐太は、テーブルに肘をついて身を乗り出して、よく考えてごらん、と言った。
「俺に対する気持ちと、ウジェーヌに対する気持ちは、ちょっと違うと思うよ」
「…そうかな…」
私には、よくわからなかった。
首をかしげる私に、祐太は続けた。
「じゃなければ俺と別れたいって思うはずだよ」