Je t'aime?



展示室を一回りして、私とウジェーヌは一階に下りた。



さっきからガミくんと紗江子が見当たらないので、グッズショップにでも行ったかな、と覗いてみたけど、そこにもいない。



「ふたりとも、どこに行っちゃったんだろうね」



館内を出るなら、ひと声かけてくれてもいいのに。



背の高いウジェーヌが背伸びをして、あたりを探している。



「あ、レイナ。いたよ」



ウジェーヌが指差したのは、美術館に併設されているレストランだった。



ガラス張りで開放的な雰囲気のレストラン。



その中に、たしかにふたりの姿が見えた。



「あー!置いて行くなんてひどい!」



文句を言ってやろうと、私がレストランに向かって歩き出すと、



「まって」



と、ウジェーヌが私の腕をつかんだ。



「ん?」



私がウジェーヌを見上げると、彼は、ふたりのほうに視線を向けたまま、



「仲がいいね」



と、ちょっとうれしそうに言った。




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