Je t'aime?
一階のグッズショップは、なぜか二階の展示室よりも人が多かった。
人気キャラクターだから、グッズだけ買いに来る人もいるのかもしれない。
だけど、ここまで来たのなら、展示も見ればいいのに、と不思議に思った。
そんな中、ここでもウジェーヌは、周りの注目を浴びていた。
もっとも、彼自身は慣れっこで、気も留めていないみたいだけど。
…だけどその注目は、もしかすると、
なんだ、あのジェルシートを貼った奇妙な外国人は。
という視線なのかもしれなかった。
「レイナ、これはどう?」
私がケータイストラップを物色していたら、ウジェーヌがなにか持って来た。
「わぁ、かわいいね」
猫と仲間たちがデザインされた財布。
革で作られていて、絵柄も大人っぽい感じだった。
「これなら、お姉さんに長く使ってもらえるね」
センスがいいよ、と褒めると、ウジェーヌはとてもうれしそうだった。