Je t'aime?
「レイナは、なにを見てるの?」
「ストラップ。新しいのにかえようかと思って」
私はケータイにつけてある、もう切れてしまいそうなストラップを見せた。
と、ちょうどそのとき、
~♪~♪♪
メールが届いた。
「びっくりした、すごいタイミング」
メールは紗江子から。
【あれぇ、気ぃ使わせちゃった?ごめ~ん、ありがと!】
…しらじらしい。
この調子なら、帰るころにはカップル成立してるかも。
私は、そのメールをウジェーヌにも見せた。
「ぼくたちは、違うレストランを探さないとね」
ウジェーヌは、あはは、と笑って、そう言った。
たしかに、あの様子じゃ、あそこに長居しそうな気配だった。
「あ~あ、私もあそこで食べたかったのに」
ついこの間、ガイドブックに紹介されていた写真を見て、
「おいしそう~!」
と紗江子と盛り上がったのは、ガミくんじゃなくて私なのに…。
自分だけ行っちゃうなんて、ひどい。