Je t'aime?



「レイナは、なにを見てるの?」



「ストラップ。新しいのにかえようかと思って」



私はケータイにつけてある、もう切れてしまいそうなストラップを見せた。



と、ちょうどそのとき、



~♪~♪♪



メールが届いた。



「びっくりした、すごいタイミング」



メールは紗江子から。



【あれぇ、気ぃ使わせちゃった?ごめ~ん、ありがと!】



…しらじらしい。



この調子なら、帰るころにはカップル成立してるかも。



私は、そのメールをウジェーヌにも見せた。



「ぼくたちは、違うレストランを探さないとね」



ウジェーヌは、あはは、と笑って、そう言った。



たしかに、あの様子じゃ、あそこに長居しそうな気配だった。



「あ~あ、私もあそこで食べたかったのに」



ついこの間、ガイドブックに紹介されていた写真を見て、



「おいしそう~!」



と紗江子と盛り上がったのは、ガミくんじゃなくて私なのに…。



自分だけ行っちゃうなんて、ひどい。




< 192 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop