Je t'aime?
ケータイをカバンに戻し、気を取り直して、私はまたストラップ選びを始めた。
今度は、ウジェーヌも一緒に選んでくれた。
「たくさんあるねー」
ストラップは、数えてみると12種類もあって、どれもかわいいから悩んでしまう。
最終的に、同じデザインの色違いふたつに絞ったけど、
「う~ん…」
どちらも、捨てがたい。
色が違うだけなのに、全然印象が違うから、困ってしまった。
「ウジェーヌは、どっちがいいと思う?」
私は、候補のふたつを両手にひとつずつ持って、ウジェーヌの目線まで上げた。
それを手にとって、ウジェーヌも首をかしげている。
「どちらもいいけど…こっちがレイナに似合うかなー…」
悩みに悩んで、ウジェーヌは右手に持っていたストラップを私に渡した。
それは赤くて細長い革の先に真鍮製のキャラクターがついているもの。
【美術館限定デザイン】というタグがついていた。