Je t'aime?



「よし!じゃあ、これに決めた」



悩んだときは誰かに決めてもらうに限る。



私はご機嫌になって、残ったほうを元の場所へ返そうとした。



ところが、その手をウジェーヌが止めた。



「それ、ぼくが買うよ」



「え、これ?」



落選した紺色のストラップ。



これを、ウジェーヌが買うと言っている。



…ということは…。



「おそろい?」



「そう、おそろい」



ウジェーヌがニコッと笑う。



この瞬間、私の頭に祐太の顔が浮かんだ。



おそろいは、さすがにマズイ…かも。



だけどそんな私の気持ちも知らず、ウジェーヌは紺色のストラップを持って、さっさと向こうに行ってしまった。




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