Je t'aime?
「どうしよ…」
私は、自分の手に握られている赤いストラップをじっと見た。
でも、いくらおそろいはマズイと言ったって…。
せっかくの留学先で、買い物にいろいろ言われるものかわいそうだし。
だからって、私がここでストラップを買うのをやめても感じ悪いし。
…待てよ…。
そもそも、祐太がウジェーヌに会うことはないんだから、そんなに悩まなくてもいいんじゃない…?
そっか、そうだよね!
よしよし、これも思い出作りだ。
「買っちゃおっと」
…こうして、ひとりで悩んでひとりで解決した私は、レジへと向かった。