Je t'aime?



会計を終えてウジェーヌを探すと、彼はまだ熱心にグッズを見ていた。



すでに手にはいつくか持っている。



レジの近くに買い物カゴがあったので、私はそれをひとつ取った。



「ウジェーヌ、これ」



私に背後から呼ばれて、ウジェーヌは驚いたように振り向いた。



「あ、ごめんね、急に」



よっぽどおみやげ選びに集中していたみたいだ。



「ありがとう」



ウジェーヌは、すぐに笑顔になってカゴにグッズを入れた。



「…あれ?」



「え?」



「あ、なんでもない」



カゴに、さっき選んだ財布とはまた別の財布が入っている。



かわいらしいデザインだから、まさか自分用ってわけでもないだろうし。



…お母さんとか、かな。




< 196 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop