Je t'aime?
会計を終えてウジェーヌを探すと、彼はまだ熱心にグッズを見ていた。
すでに手にはいつくか持っている。
レジの近くに買い物カゴがあったので、私はそれをひとつ取った。
「ウジェーヌ、これ」
私に背後から呼ばれて、ウジェーヌは驚いたように振り向いた。
「あ、ごめんね、急に」
よっぽどおみやげ選びに集中していたみたいだ。
「ありがとう」
ウジェーヌは、すぐに笑顔になってカゴにグッズを入れた。
「…あれ?」
「え?」
「あ、なんでもない」
カゴに、さっき選んだ財布とはまた別の財布が入っている。
かわいらしいデザインだから、まさか自分用ってわけでもないだろうし。
…お母さんとか、かな。