Je t'aime?
「レイナ、買い物終わったよ」
ウジェーヌは、財布ふたつに絵本を数冊、それからシールとかタオルとか、いろいろ買っていた。
おそろいのストラップは、早くもウジェーヌのケータイに付けられていた。
うれしいような、心苦しいような、複雑な心境…。
「ねえウジェーヌ、その絵本、日本語で書いてあるけど、お姉さん読めるの?」
「読めないけど、ぼくが読むから大丈夫」
「へぇー、やさしいんだね」
と私が言うと、ウジェーヌは、
「でも、姉は絵が見れればいいって言うと思うよ」
と言って、笑っていた。
私は、前に見せてもらった写真を思い浮かべた。
絵がかわいければ文章なんてどうでもいいわ、とか言いそうな、サバサバした印象のお姉さん。
心のこもったおみやげを、きっとあの写真のように素敵な笑顔で喜ぶんだろうな、と思った。