Je t'aime?




翌日は、あいにくの雨だった。



梅雨は、じめじめしていてキライ。



自転車通学もできないし(してないけど)、スニーカーも濡れちゃうし。



そんなことばっかり考えて下を向いて歩いてたら、後ろから、



「レイナ、おはようございます」



と声をかけられた。



私のことを名前で呼ぶのはガミくんくらいだけど、この声はちょっと違う。



と思ってたら、隣にスッと並んだ影ふたつ。



傘をちょっと上げて見上げると、ひとりはガミくんだった。



そして、もうひとりは―



「あ、お、おはよう。ウ…ウジェ」



「ウジェーヌ」



「そう、ウジェーヌくん。ごめんね、名前、いつまでも覚えられなくて」



申し訳ない気持ちになって、謝った。



でもウジェーヌくんは気にも留めない様子で、



「いいですよ」



と言ってくれた。




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