Je t'aime?
河口湖の観光フェリーは、私たちが乗った便が最終だった。
室内にも椅子はあったけど、私たちはみんなで湖の風に吹かれていた。
エンジン音がうるさくて、でもそれが、いかにもフェリーっぽい。
話そうとするとかなり大声を出さないと聞こえないので、疲れ気味な私は、ただひたすら柵につかまって、湖と山並みを眺めていた。
私のすぐ隣にはウジェーヌが立っていて、同じように黙って景色を眺めていた。
ガミくんたちは、反対側で仲良く寄り添っている。
私は、冷却ジェルシートをはがして、風で体を冷やしながら、ちょっと感傷的になっていた。
―…来週のお盆には、私はおばあちゃんの家に行くから、しばらくウジェーヌにも会えなくなる。
帰ってきたら、今度はすぐにウジェーヌが帰る番。
泣かないで見送りたい。
でも、きっとムリだろうなぁ…。