Je t'aime?
☆
湖一周の旅を終えて、フェリーはふたたび乗り場へ到着した。
降りてもまだ少し、耳にエンジン音が残っていた。
「あんまり富士山見えなかったね」
と紗江子が不満げに言う。
そういえば、景色ばかり見ていたけど、富士山は小さくしか見えなかったな。
「向こうに行けば、見えるポイントがあるぞ」
というガミくんに先導してもらって、私たちは帰る前に大きな富士山を拝みに行くことにした。
ところが、やってきたのは、バス停。
「バスに乗るの?」
「猫の美術館のほうに戻るんだ」
「ええ~、だったら行ったときに教えてよ~」
「あの時間じゃ、どうせ暑すぎて見てられなかっただろ」
「ああ…まあ、そうだね」
人通りの多い道路の奥に、レトロバスが見えた。
レトロという名前のわりに、けっこうな速さで向かってくる。
私たちは、普通のバスよりもちょっと小さめのバスに乗り込んで、美術館へと引き返した。
湖一周の旅を終えて、フェリーはふたたび乗り場へ到着した。
降りてもまだ少し、耳にエンジン音が残っていた。
「あんまり富士山見えなかったね」
と紗江子が不満げに言う。
そういえば、景色ばかり見ていたけど、富士山は小さくしか見えなかったな。
「向こうに行けば、見えるポイントがあるぞ」
というガミくんに先導してもらって、私たちは帰る前に大きな富士山を拝みに行くことにした。
ところが、やってきたのは、バス停。
「バスに乗るの?」
「猫の美術館のほうに戻るんだ」
「ええ~、だったら行ったときに教えてよ~」
「あの時間じゃ、どうせ暑すぎて見てられなかっただろ」
「ああ…まあ、そうだね」
人通りの多い道路の奥に、レトロバスが見えた。
レトロという名前のわりに、けっこうな速さで向かってくる。
私たちは、普通のバスよりもちょっと小さめのバスに乗り込んで、美術館へと引き返した。