Je t'aime?



「…も、もしもし…?」



『あのぉ~、もしかして、彼女さんですかぁ~?』



彼女さん?



私が眉をしかめていると、紗江子が、どうしたの、と口だけで言った。



私は、さらに眉間にシワを寄せて首をかしげてみせた。



なに、このチャラチャラした話し方の女。



まあでも、私は「彼女さん」だし…。



そうですけど、と言おうとした瞬間、



『…っ、あ、怜奈?』



声が祐太にかわった。



『今の、なんでもないから、忘れて』



祐太は、明らかに焦っている。




< 243 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop