Je t'aime?
だからって、そんな簡単に納得できない!
オシャレな白い店を知ってたのも、女の子って選ぶの遅いよねって言ったのも、全部あの人のこと…?!
「人には浮気するなってさんざん言っておいて、自分はなんなのよ!」
「だから、浮気じゃないんだって!あ、おい!怜奈!」
私は、爆笑する紗江子の腕をつかんで、駐車場に向かって歩き出した。
後ろから祐太が追いかけてくる。
「怜奈~。ちょっと、紗江子ちゃんも笑ってないで、なんとか言ってくれよ」
「あはは、いやぁ~、ふたりとも、ほんとお似合いですね!」
「意味不明だしっ!」
「怜奈~」
「知らないっ!」
私は、そのままスタスタ歩き続けた。
そして、車の助手席で、ケータイの赤いストラップに、
…これで祐太とも、「おあいこ」かな、
と語りかけた。