Je t'aime?
ケータイの時計は、待ち合わせ時間まであと10分を示している。
ちょうど駅に着く頃には、祐太も待ち合わせ場所に着いてるはず。
私が電車に乗る前にもう一度電話してみよう。
「よし、決めた。じゃあ行くね」
ソファから立ち上がると、おばさんが、
「おばさん、そこの駅まで車で送っていってあげるわよ」
と言って、車の鍵を棚から取った。
「えっ、いいですよ、悪いし」
「遠慮すんなって」
「アンタが言うな」
すかさず紗江子がガミくんに突っ込んだ。
「ほんと、遠慮しなくていいから」
おばさんは、ポンッと私の背中をたたいて、行くわよ、と玄関に向かった。
「ありがとうございます」
と、私もおばさんに続く。