Je t'aime?
「じゃあみんな、また明日ね」
「気をつけてな」
「祐太さんによろしくー」
ガミくんと紗江子は、もう食卓に戻って、デザートのすいかに手を伸ばしていた。
そんな中、ウジェーヌくんが、見送ってくれた。
「わざわざいいのに、ありがとね」
「いいですよ」
「そういえばウジェーヌくん、すいか好きだって言ってたよね。早く戻って食べないと、なくなっちゃうよ」
ウジェーヌくんが、あ、という顔をして食卓を振り向いた。
「あーでも、だいじょうぶ」
ちょっと苦笑いでそう言ったので、それがおかしくて私も笑った。
「じゃあ、また明日。さようなら」
「さようなら」
外から車のエンジンをかける音が聞こえる。
玄関のドアを開けて、ウジェーヌくんに手を振った。
「あ、レイナ」
「ん?」
もうほとんどドアが閉じかけていたときに呼び止められて、また開けた。