Je t'aime？

「よし、決まった。怜奈は？」



「え？あ、ああ…ちょっと待って」



「早くしてー。腹へったぞー」



「わーちょっと待って。祐太はなににしたの？」



「ロコモコ」



じゃあ私もそれ、と言おうと思ったけど、ちょっと重い…。



「じゃあ、私はこの野菜のグリルっていうのでいいや」



「それだけ？」



「うん。あんまりお腹すいてないし」



「さては、歓迎会とやらでいろいろ食ってきたな」



すかさず祐太が探るような目つきで、ねちっこく言った。



痛いところを突かれてしまった。



でも嘘をついても仕方ないので…。



「ごめんね、ガミくんのおばさんの手料理、ご馳走になってきたんだ」



「手料理だと～。うらやましい話だな、おい」



ひとり暮らしの祐太は、「母の手料理」をやたらとうらやましがる。



最近では、しょっちゅう私の家に来ては、おふくろの味を堪能して帰ったりするくらいだ。