Je t'aime?



駅前のカフェは、いろんな制服の学生で溢れていた。



入口の扉を開けると、カランカラン、と心地よい音が響いた。



ざわつく店内の奥のほうから、かろうじて、



「いらっしゃいませー」



の声が聞こえる。



「うわぁ、席、空いてるかな」



「私、奥のほう見てくるね」



と紗江子がずんずん入っていった。



ふと横を見上げると、ウジェーヌがすごい汗をかいている。



「大丈夫?」



「あついのは苦手だけど、だいじょうぶ」



彼はそう言ったけど、私の目から見たら、今にも倒れそうだった。



早く座らせてあげたいけど…。



私も空席を探そうと、店内を見回した。



すると、思いがけない視線が。



お客さんたちが、ほとんど全員、こっちを見ていることに気がついた。



「なに、この注目度は」



でも、原因はすぐにわかった。



ウジェーヌだ。




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