Je t'aime?



女子高生たちは、ウジェーヌを見てコソコソ楽しそうに話している。



カウンターで商品を受け取って席に戻る人も、必ずといっていいほど、こちらをチラリと見ていく。



私は、こんなところじゃ居づらいかな、と心配になった。



でも当のウジェーヌは、そ知らぬ顔で汗をタオルで拭いている。



注目されるのにも、慣れっこなのかもしれない。



そんなことを考えながら、待つこと数秒。



「お、紗江子が手振ってる」



ガミくんの視線を追うと、紗江子が「おーい」と私たちを呼んでいた。



人を掻き分け、紗江子のほうへと向かう間も、ずっとウジェーヌは注目されていた。



「ちょうど空いたよ、四人分」



「ありがとう~、やっと座れるね!」



と、私が言うが早いか、ガミくんとウジェーヌは、もう椅子にどっかり座っていた。




< 49 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop