Je t'aime?
「…間に合ったー」
体育館に滑り込むと、もうみんな新しいクラスごとに整列していた。
「うわぁ、どこだろ、2-C…」
春休みが終わって久しぶりの再会を果たした生徒たちが楽しそうにおしゃべりをする中、私と紗江子は、知ってる顔を捜してウロウロした。
すると、「こっちこっち」と言わんばかりの手招きが。
「あ、ガミくん!」
「おせーよ、マジで」
「間に合ったんだからいいでしょ。ていうかガミくんこそ、私たちと一緒に教室に行ったのに、なんでもう体育館に来てるのよ」
「世渡り上手なんだよ」
「おっさんか」
仲が良いんだか悪いんだか。
紗江子とガミくんのやりとりは、いつもこんな感じでおもしろい。
「ねえ、今年は何人くらい…」
『…えー、では、始業式を始めます』
何人くらい新入部員来てくれるかな、と言おうとしたら、マイクの声に消されてしまった。