Je t'aime?




私は、ウジェーヌとふたりきりになった。



目が覚めたら飲ませてあげようと思って、コソコソ部屋を出て、お店のセルフサービスの水をグラスいっぱいにして、また戻る。



でもまだ、彼は眠っていた。



あのとき顔色が悪いように見えたのは、気のせいなんかじゃなかったんだ。



ニコニコしてはいたけど無口だったし、具合悪かったのに我慢してたのかもしれない。



私は、ソファの傍にあった丸椅子に座って、ウジェーヌの顔を覗き込んだ。



だいぶ汗をかいている。



「…ごめんね、ウジェーヌ」



私は、スカートのポケットからタオルハンカチを出して、彼の額の汗をそっと拭った。



すると、ウジェーヌがパチッと目を開けた。



「うわっ、びっくりした」



ふ、普通は、苦しげにうめいてゆっくり目を開ける、とかのパターンじゃないの、こういうときは。



とか思いながら、私はあわてて手を引っ込めた。




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