Je t'aime?
「…○△※×…」
「え?なに?」
ウジェーヌが眩しそうに顔をゆがめて、なにか言った。
たぶんフランス語だろうと思うけど、さっぱりわからない。
「水、飲む?」
さっきこっそり持ってきたグラスを差し出すと、ウジェーヌはやっと我に返ったような顔をして、私を見た。
「レイナ、ありがとうございます」
ゆっくり起き上がって、私の手からグラスを受け取ると、水をひとくち飲んだ。
「大丈夫?まだ気分、悪い?」
「ぼく、たおれましたか?」
「うん」
「あー…ごめんなさい。もうだいじょうぶ」
「謝らなくていいよ。こっちこそ、気づいてあげられなくて、ごめんね」
私は、ウジェーヌに負担をかけないように、なるべくゆっくり話した。