Je t'aime?
「あ、そうだ」
私は、引っ込めたタオルハンカチをウジェーヌに渡した。
「汗、たくさんかいてるから、拭いたほうがいいよ」
ウジェーヌは黙ってハンカチを受け取ると、首筋や額の汗を拭った。
それから、ふぅっ、と短く息を吐いた。
まだ少し目がウツロで、しんどそう。
しばらくお互いに無言で座っていた。
ドアの向こうでは、カフェでひと休みする人々の声が聞こえる。
「ガミは…?」
と、ウジェーヌが部屋を見回しながら言った。
「ガミくんは、家に電話してる。すぐ戻ると思うよ」
それにしても、ちょっと遅い。
電話するだけって言ってたと思うけど…。
と、そのとき、ドアがガチャっと開いた。