Je t'aime?
~♪~♪♪
「お、電話きた」
ガミくんが、制服のポケットからケータイを出して、耳に当てた。
「もしもし?ああ、うん、今まだ店」
話しながら、行くぞ、と手振りと目で合図した。
「ウジェーヌ、立てる?」
「立てるよ」
ソファから立ち上がったとき、ウジェーヌがちょっとフラついた。
とっさに支えたときにつかんだ腕は、まだ少し熱いような気がした。
「カバン、持ってあげる」
と、紗江子がウジェーヌの荷物を持った。
部屋から出て、四人そろって店長さんにお礼を言う。
忙しそうだったので、わずかしか話せなかったけど、
「お大事にね、留学生くん」
と、最後まで気さくに相手をしてくれた。
「ありがとうございます」
ウジェーヌは、はにかんだように笑って言った。