Je t'aime?




次の日、私が教室に入ると、もうガミくんとウジェーヌが登校していた。



「おはよう、珍しく早いね」



「昨日、ガミはいつも遅い、って怒られたんだよ」



「あはは、ウジェーヌらしいね」



当のウジェーヌは、クラスの数人の女の子に囲まれて、楽しそうにおしゃべりしている。



私はそれを見て、なんだかいやな気持ちになって目をそらした。



別にウジェーヌが仲良くしていい女の子は私と紗江子だけ、とか思っているわけじゃないけど。



でもなぜか、他の女の子とは仲良くしてほしくないと思った。



おかしな独占欲。



私は、ウジェーヌのほうを見ないまま自分の席に向かった。



するとすぐに、



「レイナ」



とウジェーヌが、女の子の輪を抜けて来た。



私はちょっとうれしくなったけど、女の子たちを意識してしまい、そんな素振りは見せないようにして、



「ウジェーヌ、おはよう」



と言いながら、さっきまでウジェーヌがいたところをチラリと見た。



みんなは、まだ未練ありげにこっちを見ていた。



でも肝心のウジェーヌは、そんなの気にしないと言わんばかりに、満面の笑みを浮かべている。



「体調、どう?」



「もう良くなったよ。昨日はどうもありがとう」



「いいよ、気にしないで」



それより、周りの視線が気になりますけど…。




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