Je t'aime?
☆
音楽室の風景は、いつも同じだ。
穴だらけの防音壁と、定位置のピアノ。
きれいに並べられた椅子とは対照的に、隅っこでぐちゃぐちゃに集められた黒い譜面台。
今日も私は、いつもの音楽室で、いつものように窓を開けた。
朝からずっと降っている弱い雨が室内に入り込まないか確認したけど、大丈夫みたい。
「もう止みそう?」
「ん~でも空は暗いよ」
私と紗江子は、音楽準備室から四角い机をひとつ運び込んで、それを囲むように椅子を四つ置いた。
それからその椅子に座って、ガミくんたちが来るのを、窓の外の厚い雲を眺めて待った。
まだ梅雨も明けていない今の時期は湿気がすごい。
なんだか、準備室に押し込められていた机も湿っているような気がした。
「遅いね、ふたりとも」
「ほんと。なにやってんだろ」
このままだと眠っちゃいそうだなぁ、とぼんやりし始めた頃、ようやく廊下から話し声が近づいてきた。
音楽室の風景は、いつも同じだ。
穴だらけの防音壁と、定位置のピアノ。
きれいに並べられた椅子とは対照的に、隅っこでぐちゃぐちゃに集められた黒い譜面台。
今日も私は、いつもの音楽室で、いつものように窓を開けた。
朝からずっと降っている弱い雨が室内に入り込まないか確認したけど、大丈夫みたい。
「もう止みそう?」
「ん~でも空は暗いよ」
私と紗江子は、音楽準備室から四角い机をひとつ運び込んで、それを囲むように椅子を四つ置いた。
それからその椅子に座って、ガミくんたちが来るのを、窓の外の厚い雲を眺めて待った。
まだ梅雨も明けていない今の時期は湿気がすごい。
なんだか、準備室に押し込められていた机も湿っているような気がした。
「遅いね、ふたりとも」
「ほんと。なにやってんだろ」
このままだと眠っちゃいそうだなぁ、とぼんやりし始めた頃、ようやく廊下から話し声が近づいてきた。