手紙


花音を疑いそうで怖いし、あたしはいつかきっと嫉妬してしまう。


そんな自分も怖いんだ。


知らず知らずのうちに花音を傷付けてるかもしれない。

もし花音が翼くんを好きだとしたら、あたしが翼くんを好きだって話せば絶対に傷つく。

どんどん傷つけてしまう。

少なからず、傷つかずにはいられない。

でも、幸せは願う、と思う。


翼くんをどう思っているのかを聞くのにも、好きって言われても、今までと同じに話せる?


あたしは、動けないでいた。


花音の本当の気持ちがわからない限り、動くことが出来ない。


傷付けることが、何より怖いから……。
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