手紙


「それで、風邪ひいたことを葵に知らせてくれって。たぶん翼、葵があたしより早い時間に登校してること知らないからあたしに電話したんだと思う。付き合い長いし、何かあるたびに早く起こされるのはいつもあたしだから」

「そっか、花音も結構早い方だもんね」

「翼なんて葵より早いし。ホント、分かんない奴」


そういえば、学校来てから鞄持ったままどこか行ってるんだっけ?

……風邪……ちょっと心配だな……。


「……葵は心配?」

「え?」

「翼。今日一日はいないからね」

「うん、心配……。」

「じゃ、今日行こうか。お見舞いに」

「え?……うん!」


考えてみれば、翼くんの家に行くのは初めてだ。

今までは、花音ちゃん家に集まってたし、強制デートのときだってあたしの家の場所を教えたくらいだし。


ちょっと……結構楽しみかも。


< 107 / 300 >

この作品をシェア

pagetop