手紙
十時になり、文化祭は幕を開けた。
これから二日間、頑張ろう!
あたしと花音と翼は行動が一緒で、一日目は午後、二日目が午前に仕事をする。
それまでは自由行動が出来て、他のクラスを回って行く。
「兄貴!」
そう呼んだのは、翼の弟だった。
「届!来たんだ?」
「うん、だって楽しいって言ってたじゃん?……よう花音」
「来たんだ?生意気届」
あ、あれ?
まさかこの二人って仲悪かったの?
「別に生意気ってわけじゃなくて……」
「十分生意気なガキでしょ」
「……はぁ……あ、葵さん。この前ちゃんと帰れた?」
「え?あ、うん。この前はありがとう」