手紙


次の日は朝からあたしたちの仕事の番だった。

朝来た時にトキくんからの手紙はまだ入ってなかったけど、昼休みには入ってるかな?と思いつつわくわくしていた。


トキくんの手紙は朝必ずしも入っているというわけではない。

時々帰りに入っていることもある。


いつ入っているか分からなくて、ドキドキしながら下駄箱を開けるんだ。


仕事が終わってお昼の時間。

自販機で飲み物を買うついでに下駄箱をチェックしてこようと思って行ってみたら、そこには翼がいた。


外に行くのかな?って思ってたら、あたしの下駄箱を開けてそれを中に入れて、閉じた。


……あれってまさか……?


翼はゆっくりとこっちを振り向いて、あたしを見て目を見開いた。


「……葵……?」

「翼、今なに入れた?そこ、あたしの下駄箱……だよね?」


あたしはそこに駆け寄って、自分の下駄箱を開けて中身を取り出した。

……やっぱり……。

トキくんからの手紙だった。


「……どうして、翼が……」
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