手紙
「ど、どういうこと?」
頭の中をさまざまな妄想が飛び交う。
パイロットで世界に飛び立っているんじゃないかとかまで考え始めてきた。
その妄想を止めるためにも、聞く。
「事故だよ。彼は事故で足の感覚が麻痺した。会いに行こうとしても限度があるんだ。まずそれが一つ」
事故……?
トキくんて、歩けなかったんだ……。
車いすとか、使うのかな?
毎日寝たきり……とか?
あ、だから手紙に“毎日同じことの繰り返し”ってよく書いてあったんだ?
刺激がほしいって、刺激が足りな過ぎるんだ……。
「次に、手紙を渡している理由は、直接会うのが怖いから」
「……あたしに?」
「そう。彼は葵と離れる時に、“もう会えない”って言われたことで、会うことが怖くなっている」
会えない……?
“柚縷ちゃんとは、もう会うことはないから!!”
過去の記憶がよみがえってくる。