手紙


「そんなこと聞いてないよ!?」

「言ってないもん……」


言いたくなかった。

離れたくなかった。

でも、小さいあたしには何もすることができなくて……。


「なんで話してくれなかったの!?話してくれたらいっぱい遊んだのに。そうだ、葵ちゃんだけが残るとか……」

「柚縷ちゃんとは、もう会うことはないから!!」


突き放したのは自分だった。

もう会うことはないだろう。


これから先、何十年も会えないかもしれない。

もうこれきりで、会うことはないかもしれない。


キツイことを言ったのは分かってた。

これで柚縷ちゃんも傷付くってことは分かってた。


でも、自分を抑えられなかった……。
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