手紙
花音を放っておいたままだったことに気付いたあたしたちは、急いで花音のもとに向かった。
いつもよりすっきりとした気持ちを抱いて、文化祭後半を過ごしたんだ。
あたしがトキくんの正体を知ったって言ったら、結局教えたんだって呆れてた。
花音、やっぱり知ってたんだね。
柚縷ちゃんを知ったから、もうこれで最後の手紙になるだろう。
『明日、会いに行っていいですか?柚縷ちゃん』
それだけ書いて、翼に渡した。
家に帰って、たくさん集まった手紙を読んだ。
読み返すと、柚縷ちゃんの面影がどことなくある。
柚縷ちゃんのおかげで、楽しい時間を過ごせた。
不思議な思いをした。
「……ったく、いつまで経っても悩ませてくれちゃって……」
アルバムを見ながら、つぶやいた。