手紙
ベルを押すと女の人の声がした。
お母さんかな?
お姉さんとか?
相手が翼だと知ってすぐにドアが開いた。
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
出て来たのは少し年のいった女性。
お母さんだろうな。
「こんにちは。あら、今日は花音ちゃんじゃないの?」
「あ、えと、花垣葵です」
「葵……もしかして、葵ちゃんかしら?」
「え?」
あ、葵ですけど……。
今あたし葵って言いましたけど……。
「違ったかしら?小学生の時によくゆーちゃんと遊んでくれていた葵ちゃんがいたんだけどね、中学上がる前にはもう遊ばなくなっていて……」