手紙


太陽の光に包まれているひとりの人。

逆光で顔が見えない。


少し、眩しい。


「……母さん?」


一言聴こえたその声は、昔の声より少し低くなっていて。

でも、昔の面影があった。


「ゆーちゃん、翼くんと……葵ちゃんよ」


優しい笑顔が見えた。


「……葵、ちゃん……」


“葵ちゃん!”

あの頃呼ばれていた声よりもずっと落ち着いた声になっていた。

その声に、安心する


「……柚縷ちゃん……」


やっと会えた、手紙の彼。
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