手紙
少し休んでいたら、冷静になってきた。
もう大丈夫だと思ったから、あたしは話し始めた。
「……事故って聞いたんだけど……大丈夫?」
手紙のこととか、小学校の頃とか、話したいことはいくらでもあった。
迷うほど、あった。
でも、昨日知った事実。
どう考えても遅いけど、でもあたしも気になっていた一番の変化。
「聞いたんだね」
「手紙のこと、ずっと引っかかってた。毎日同じことの繰り返しって」
「動けないから、いつもここから外を眺めていたんだ。時々小鳥が遊びに来たりして……でも、景色はいつも変わらない。何のために生きているのかわからなくなる時もあった」
なんの為に生きるのか?
その疑問を抱くのは、柚縷ちゃんだけじゃない。
「あたしもそれ、わからなかった時期があったよ」