手紙
あたしと柚縷ちゃん
小さい沈黙。
今まで手紙を渡してきたのが翼だって言うのなら、きっと翼でも知ってる。
でも、柚縷ちゃんの本当の気持ちと一緒に聞くのには、やっぱり本人からの言葉の方が合ってるはずだから……。
「五年から葵ちゃんのいない生活になって、すごく寂しかったよ」
「……うん」
「そこまで仲が良かった人は少なかったから、葵ちゃんがいなくなってからはどんどん自分が静かな奴になっていった」
……もしかして、その間静かにしてたから、今も静かに……おとなしい印象になってるの?
「中学に入ってから、翼と花音に出逢った」
「同じクラスだったんだよ」
「へぇ……」
翼は、柚縷ちゃんと同じ学校だったんだね。
初めて知った。
「二人は本当にお互いをよく知っててさ、うらやましかったよ」
「え?そんなこと思ってたの?」
「いいなぁって思った。葵ちゃんがいたら、こんな感じだったのかなって」