手紙
「質問の答え、葵だよ」
「あ、あたし、何を質問した?」
「俺の好きな人」
……好きな人を聞いたら……好きな人を答えるのが普通だよね……?
当然のことなのに、信じられない。
だって、なかなかうまくいかない関係が周りで実際に起こってるんだから、その終わりがあたしだなんて……。
「葵が、好き。こういった方がいいのかな?」
「え、あ、ん……本当に……?」
「嘘つけるほどできた人間じゃないよ?俺」
やっと心に響いてきたその言葉。
やっと、理解できた。
翼は、あたしを想っていてくれてる……本当にそれでいいの?
本気で受け止めて、いいの?
「あたしも……大好き」
好き、好き、好き……。
こんなにも好きだなんて、気付かなかった。
涙が出るほど嬉しいだなんて、思わなかった……。