手紙
やっとこっちを向いてくれた花音ちゃん。
「手紙が届いたら……送り主に手紙を書くのが当たり前?」
「送り主って誰?」
「……この一年の中の誰か?」
それでも300人以上いるから!!
「どうやって手紙を返せばいいの?渡せないよ……」
本気で考えてるあたしに、花音ちゃんは言った。
「それなら、自分のげた箱の中に返事の手紙を入れれば?」
自分のげた箱の中に……?
「え?自分の?」
「だって、げた箱に手紙入れるってことは、げた箱の中見なきゃ手紙入れられないじゃん。だから必然的に手紙を入れておけば目につくでしょ?」
……確かに……。
そう考えれば、渡せないこともない……か。