手紙
「でも、また手紙を持ってくるとも限らないし、手紙を持っていくとも限らない。げた箱の中を見るとも限らない。これは相手次第の賭けだけどね」
賭け……。
でも、賭けて駄目だったとしても、別に悪いことは起こらないよね。
自分のげた箱の中に入れるんだし……。
まさか他の誰かに読まれるなんてことないよね?
……ないことを信じて返事の手紙を書こう。
「やってみようかな……」
「うまくヒント見つけておいで」
花音ちゃんはそう言ってにっこり笑った。
さっそくあたしは手紙を書いて、自分のげた箱に入れた。
それはちょうどゴールデンウィークの五連休前日の放課後のことで、あたしたちの関係は、この初めて返事を返した日から動き出す……。