手紙


「女子高生時代にいろいろやっといた方がいいよ。大人になると思い付きだけで行動出来なくなる。ここにもなかなか来れなくなるかもしれない」


……お姉ちゃん?


「また来てね。こっちはいつでもウェルカムだからね」


そう言って、梅乃お姉さんはあたしを抱きしめた。


「……ゆーちゃんのこと、知ってる?」


……ゆーちゃん……。

梅乃お姉さんが呼ぶそれは、柚縷ちゃんのこと。

知ってるって……?


「……ゆーちゃん、動けなくなったの」

「あ……知ってます」


知ったのはごく最近……。

さっきの言葉って、この先何があるか分からないから……ってこと?


「動けなくなっちゃったけど、それが不幸だとも思いません。彼にとっての幸せは、その周りが作る環境で左右されると思うから」

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