手紙


可愛そう、可愛そう。

それだけしか言わない大人になりたくない。


ただ、そばにいるだけで安心できるような、上辺だけじゃなくて心から幸せになってと願える人になりたい。


あたしは、そう思う。


「あたしは、彼の幸せのために尽くすつもりです。花音もそう」

「あ、あたしは……違う意味で幸せにしたいっていうか……」


彼は一般的に言われる障害者に入る。

でも、一年ちょっと前までは普通だったんだ。

特別扱いはしたくない。

友達として、一緒に乗り越えていきたい。


「葵ちゃんは強くなったね」


……強く……?

あたしが?


「あたしは、怖くて怖くて、お見舞いにいけなかったんだ。すごくショックなんじゃないかって、行かない方がいいんじゃないかって、そっとしておいてほしいんじゃないかって……」
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