手紙
気付けば辺りはもう暗くて、東の空には少し星が見えていた。
「そろそろ帰らなきゃね」
「さすが冬。日が落ちるの早いよ……」
お姉さんと別れて、翼の家まで行って自転車を返した。
それから電車に乗って家に帰ると、かなでが飛びついて来た。
あ、ゴールデンレトリバーのかなでね
かなでとたわむれてから家に入って行った。
翌日、秀平くんにしゅうちゃんと呼んだら、すこし驚いてから優しく微笑んでくれた。
きっと、その呼び方だけでもあたしが秀平くんと遊んでいたのを思い出したって伝わったんだと思う。
あたしも、嬉しくなった。
もっと前の思い出を思い出したい……なんて思った。