手紙


花音ちゃんのうめき声を聞きつつもこの日一日で終わらせた宿題。


あぁ、頑張ったな……。


いつの間にか日も沈んでオレンジ色の空が目に入ってきた。


「葵ちゃん、そろそろ帰らなきゃヤバいかな?」

「え?あぁ、暗くなってきちゃったからね」

「駅まで送っていくから、片づけよ」


となりで、もう帰っちゃうの~?とか花音ちゃんが言ってるけど、綺麗に無視している翼くん。

本当に慣れてるね。


「それじゃ、帰るから。またね、花音」

「バイバイ、花音ちゃん」

「うん、また遊ぼうね」


いや、今日は遊んでいたつもりはなかったんだけどなぁ……。


そんな思いを抱えつつも花音ちゃんの家を後にした。
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