手紙


「恋ちゃん!!」

「あ、葵ちゃ……翼くん……」


恋ちゃんは翼を見た瞬間に顔が引きつった。

……何か知ってるな?


「恋ちゃん、翼があたしの後ろにいたこと知ってた?」

「……だ、だって……しーってしてくるから……驚いてびっくりしちゃったんだけど……」


ちなみに驚くとびっくりは一緒だと思うんだけどね。


恋ちゃんは口の前に人差し指を立てながら言った。

……あ、いきなり驚いた声を出したのといきなりかみまくった理由がはっきりわかった。


恋ちゃんはあたしの後ろに翼がいることに気づいてて、それでぎこちなかったんだ。


あ、もしかしてホッとした顔したときに翼が離れていってたとか?

となると、恋ちゃんが秀平くんのことが好きだっていうところは聞いてなかったんだ。

ちょっぴり安心。


「翼……」

「盗み聞きじゃないでしょ?ちゃんと堂々と聞いてたんだから」


いたなら声かけてよね!?


今日もあたしの彼氏はいつものにっこり笑顔でSでした。
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